「プラスチック」と言えばどのようなものを想像されるでしょうか。ペットボトル、眼鏡レンズ、プラモデルなど、我々の身の回りにはプラスチック製品が溢れています。これらは全て炭素(C)や酸素(O)、窒素(N)や水素(H)などでできており、組み合わせを変えることにより、発泡スチロールやプラスチック製消しゴムのような様々な特性の物体に変化します。この組み合わせを重合と呼びますが、我々はこの重合方法を工夫し、特殊な形状の物体を製作することに成功しました。それが、下図に示す「モノリス」という構造物です。
一見してスポンジの拡大写真のように見えますが、空間は「穴」ではなく「孔」となっています。つまり、すべての空間はつながっています。言い換えれば「孔」を構成している骨格材料もつながっており、この連続的に一体型となっている構造のことを、共連続体(Monolith「モノリス」)と呼び、炭素を中心とした有機物を重合して製作するために、出来上がった製品は「モノリス型ポリマー」と呼ばれています。
このモノリス型ポリマーには次のような特徴があり、後述しますが、これらの特徴を活かした製品開発を行っています。
【特徴】
発泡体のように独立した穴ではなく、連続した貫通孔を形成。
骨格(材料部分)と流路(孔部分)のサイズが独立して制御可能であり、それらのサイズは非常に均一。
高分子材料の部分である骨格も流路と同様に連続したネットワークを形成しているため、高い強度を示す。